プロが実践するロゴの作り方と制作プロセス- その10(最終回)
ブルホラのサービス担当部長です。
今回はベビーマッサージ LEILANI LOVE(仮称)の3番目のロゴデザインのプレゼンテーションです。
コンセプト C プレゼンテーション-2/2
これは絆、結コンセプトを1枚のリーフ(葉っぱ)で母と赤ちゃんの手による一体感を表現したデザインです。
初回提案したもの(左)と比較してブラッシュアップが施されているのがわかりますでしょうか。もう少し赤ちゃんの手を小さくして...指の数も追加して...角度を少し変えて...。 同一系統の濃淡を使った2色カラーのロゴを提案しました。
実はブラッシュアップの作業でも、引き続きどこまでディテイルを盛り込むべきなのか様々な議論がありました。
ベビーマッサージの対象は生後数ヶ月の赤ちゃん。実際の手を比べると本当に手の平におさまる位の小ささです。ですが、リアリティを求めるとバランスが良くなく、このアイデアは成立しませんので、あえて赤ちゃんの手は大きくなっています。また指の表現についてもしかり。ことが必ずしも正しいわけではありません。
あくまでもシンボルマークなので、ディテールを追求するのではなく、「程よい落としどころ」が大事なのですが、それが難しい部分でもあります。
カラー・バリエーション
さらにカラーバリエーションをに加えて、手のリーフを丸く囲んだアイデア(右側)もプレゼンテーションします。
薄い水色は、ベビーサックスと呼ばれ、ベビー用品でもよく用いられているカラーなんです。あまり如何にもベビーブランドにはしたくないということをクライアントの方はお話されていましたが、このカラーの持つ、やさしさ、柔らかさは捨てがたいものがあると思い、あえてバリエーションとしてアイデアをプレゼントしました。
ロゴの装飾展開とプリント・シミュレーション
こちらのロゴデザインでも、想定したバッグとタオルでロゴの再現性評価のためにおシミュレーションを提案しておきましょう。
さいごに
クライアントからの要望に応え約3週間という限られた時間の中で、プレゼンテーションを行い、約束を守りました。
限られた時間の中で、ブレインストーミングという方法と手描きのラフスケッチでアイデアを膨らませ、膨大な数のスケッチの中から、グッドアイデアを選び、その作業と並行してコンセプトを作り、コンセプトにふさわりいロゴデザインを提案していくことができました。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
ロゴを考える上で、ご覧いただいた皆さまの参考になればうれしいです!
プロが実践するロゴの作り方と制作プロセス- その9
ブルホラのサービス担当部長です。
続けてConcept C 絆、結をテーマとしたプレゼンテーションです。
コンセプト C プレゼンテーション-1/2
まずはベビーマッサージで結ばれる母親と赤ちゃんのシルエットをモチーフとしたものです。クライアントからのリクエストで星のマークは削除して提案することになりました。
清らかな母と赤ちゃんという構図を、シンプルなマゼンタカラー1色で表現したものです。
カラー・バリエーション
カラーバリエーションや清らかさを意識した見せ方もバリエーションとして加えます。
金色は、ベビーマッサージ教室の展開予定のT国ではもっとも好まれているカラーでありますが、あまり鮮明な印象ではありませんが、例えば名刺で高級感を演出ために金箔(きんぱく)を押したりする場合があります。
メインカラーではなく、サブカラーとしてプレゼンテーションします。
ロゴの装飾展開とプリント・シミュレーション
バッグやタオルなどのシミュレーションイメージも追加します。
このデザインは装飾フレームに収まることで、また印象も良く変わってきたと思いますが、いかがでしょうか。
さいごの3番目の提案は、次回のその10ブログへ続きます。
ご覧いただきありがとうございました。
プロが実践するロゴの作り方と制作プロセス- その8
ブルホラのサービス担当部長です。
前のブログでもご紹介しましたが下記の書体で進めることになりました。
コンセプト A プレゼンテーション
前回その7のBLOGで書きましたとおり、プレゼンテーションで使用する書体が決まりましたので、仮名称ブランドのロゴタイプとしてプレゼンテーションします。
まずはコンセプトAの樹木をあしらったシンボルマークデザイン案です。
カラーがついたことでイメージも拡がりましたね。
右側は、シンボルマークの下に、オススメのロゴタイプを加えました。
シンボルマーク上にはスローガンとして"PRECIOUS MOMENT"を添えて提案することにしました。これは「LEILANI LOVEで母親と赤ちゃんとのとても貴重な時をどうぞ」、という提案です。音の響きを考えて複数のMOMENTSではなく単数で提案します。
実はこの樹木のアイデア、例えばHITACHIの企業広告のゆうに、企業の成長や安定のイメージに用いられて使われることが多いですし、またL'OCCITANE(ロクシタン)のようにシンボリックなイメージとして使われることもあり、ためらいもありましたが、いずれの場合も企業ロゴとして使われているわけではありませんし、「手と木の組み合わせ」というひらめきは捨てがたいものがあり、ロゴアイデアとしてそのまま採用してプレゼンテーションしました。
カラー・バリエーション
リッチなゴールドカラーや、すこしベビーカラーで使われるサックス系のカラーバリエーションも追加します。
ロゴの装飾展開とプリント・シミュレーション
シンボルマークの装飾的な使い方は、よりシンプルなカタチへと手を加えて提案します。またベビー用グッズを入れるバッグや、ベビータオルに印刷した場合のシミュレーションを参考まで提案することにします。
これらバッグ、ベビータオルは、具体的な材質や色、大きさがまだ決まっていませんので、クライアントにロゴを選んでいただくための一助としての提案となります。ロゴのプリント方法も、刺繍、シルク印刷、インクジェット印刷、などなど様々あり、ロゴの再現性も見た目の印象も変わります。
何か素敵なシンボルマークになりそうですね。
もう別のコンセプト、ロゴデザインを次回のブログでご紹介します。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
プロが実践するロゴの作り方と制作プロセス- その7
ブルホラのサービス担当部長です。
引き続きベビーマッサージ教室 LEILANI LOVE(仮名称)についてお送りします。
ロゴタイプを考える
今回のクライアントさんはシンボルマークに対して強いこだわりを持たれていますが、 LEILANI LOVEが仮名称であり、変わる可能性がありましたので、オリジナルで作りこんだロゴタイプではなく、入手できる範囲で書体を考えていくことにしました。
ふさわしい書体(タイプフェイス)を選ぶ
とはいえ、パソコンにインストールされている英文書体ならなんでも良いというわけにはいきません。
LEILANI LOVEに合った文字書体(typeface タイプフェイス)を選んでプレゼンテーションしたいと考えます。
今回はクライアントからすべて小文字にして欲しいとのリクエストがありました。
・LEILANI LOVEとすべて大文字で組む場合があります。(これを All Cap* オール・キャップといいます。)
・またLeilani Love のように2つの単語の頭だけを大文字にしてあとは小文字で組み合わせる場合があります。(Cap & Low* キャップ・アンド・ロー)
この普段目にするロゴタイプは「オールキャップ」または「キャップ&ロー」で組まれていることが多いと思います。どちらも作業としては行いましたが、小文字だけでも問題無いことを検証して、すべて小文字だけのロゴタイプを提案することになりました。
プレゼンテーション用のロゴタイプを決定する
文字を並べてみたときに親しみやすさ、温かみがあり、柔らかさあることから2つの候補を選び、その中から、文字に少しクセや個性も感じられる上のロゴタイプを選び最終プレゼンテーションへ臨む事にしました。
ね、良いでしょう。よく文書で用いられる英文書体のArialとかHelveticaとは違う、少しクセがあり、ニュアンスがある書体です。1stを仮称ブランドの仮のロゴタイプとして使うことにします。正式名称が別の名称に変更となった時は、また別の書体を考えるか、またはオリジナルで制作したいと思います。
シンボルマークデザインもいよいよ佳境です。
また次へ続きます。
ご覧頂きありがとうございました。
*1:
*ちなみにCapというのは英語capita letter (大文字)の省略形です。capitalには、頭というのが元々の由来で、首都、資本(金)を意味することばです。
LowというのはLowercase の省略形で、昔の鉛で出来た活字を使って印刷していた時代、下のケースに保管されていたことから来たことばだそうです。
プロが実践するロゴの作り方と制作プロセス- その6
ブルホラのサービス担当部長です。
クライアントへの第1回目プレゼンテーションの結果:
2つのコンセプトと3種類のシンボルマークをセレクト
提示したコンセプトの中で、クライアントからConcept A<慈> と Concept C <絆、結>の2つのコンセプトと、以下の3つのデザインを気に入られました。
モノトーンだからこそ、色にとらわれずにコンセプトとして評価することができたのですが、実際にはどんな色なのか(大事なことです!)不安もありますので、それを次の最終提案できちんとプレゼンテーションすることにしましょう。細かい線やディテイルなどもできるだけブラッシュアップして臨むことになります。
プレゼンテーションの結果は、クライアントさんには上記のデザイン案が評価され選んでいただきました!
最終のプレゼンテーションでは、LEILANI LOVEは仮称の段階のためオリジナルのロゴタイプではなく、イメージに合った書体(typeface タイプフェイス)を使ったロゴタイプを提案することになりました。
装飾ロゴのアイデアを提案
前回その4で、タオルやバッグ、ベビーオイルなどベビーマッサージ教室で販売する予定の商品で使うロゴで、高級感を表すため囲みの中にマーク装飾的な扱い方の話をしました。
ベビーオイルのボトルのラベルなどのパッケージデザインも想定し、どのような雰囲気になるのかをイメージしていただくために、ブランド名のLEILANI LOVEは仮書体とダミーテキストで提案することにしました。
プレゼンテーションの結果、評価も良かったですが、ブランド名下のTOKYOは、入れるのであればJAPANを加える、ダミーで入れてある外側のテキストは削除してシンプルにしたいとの要望が出ましたので次回、第2回目のプレゼンテーションで反映さえることにします。
次回のブログへ続きます。
ご覧いただきありがとうございました。
プロが実践するロゴの作り方と制作プロセス- その5
ブルホラのサービス担当部長です。
新しく立ち上げるベビーマッサージ教室 LEILANI LOVE(仮名称)のためのロゴ作りの続きです。
コンセプト開発
今回提案するシンボルマークを下記のようなコンセプトの基に整理してみることにしました。コンセプトといってもとても短いキーワードですが、意図は伝わっているのではないでしょうか。
クライアントへのプレゼンテーション:
5つのコンセプトと10種類のシンボルマーク
合計でAからEまで5つのコンセプトと10種類のシンボルマークデザインを提案します。
最初の提案では、クライアントに色の好みによって左右されることなく、アイデアを評価してもらうためモノトーンでプレゼンテーションします。
クライアントには、先ほどのコンセプトチャートを見ていただき、補足説明しながら 1つ1つのコンセプトとシンボルマークデザインをプレゼンテーションしていきます。
コンセプトA 滋 / Nourish
コンセプトはからだの栄養を意味する滋養。お母さんの手を樹木の幹に見立てて赤ちゃんへと栄養が送られは葉っぱが成長させていくイメージです。
同じコンセプトで、ベビーマッサージを受けて愛情という栄養が送られているイメージです。
コンセプトB 貴 / Precious
ベビーマッサージを受けている時間が貴(とうと)く、価値がある、大切に育てられている、そのようなコンセプトです。
羽根のようなお母さんの手と大切に育てられる愛情をイメージしています。
LELANI LOVE(仮名称)がベビーマッサージ教室の開業を予定しているB国は、国王制度の国です。ハートにかえて小さな赤ちゃん国王、ベビーキングの王冠をイメージしたシンボルマークデザインです。
コンセプトC 絆、結 / Bonds
そのベビーマッサージで深まる母親と赤ちゃんとのきずな、結びつきがコンセプトです。
ブレインストーミングで出てきたアイデアをもとにしたシンボルマークですが、主役は母親でも赤ちゃんの双方なのですが、普通のスケッチで終わってしまってはいけません。いかにそれらしくシンボルマークとして見せるか、調整が難しいところであります。
同じコンセプトでも今度は母親と赤ちゃんのシルエットではなく、手をモチーフとしたアイデア。双方の手が合わさって1枚のリーフ(葉っぱ)が作られています。赤ちゃんの手は小さいのでそれぞれの手の大きさのバランスをとりながら、リーフらしく見せるための調整に時間がかかりました。
コンセプトD 永 / Forever, Eternity
コンセプトCそのものをさらに発展させたもの。
ベビーマッサージでにより母親と赤ちゃんとのきずな、結びつきが永遠である、というコンセプトです。
ブレインストーミングで出てきたアイデアをもとにしたシンボルマークですが、主役は母親でも赤ちゃんの双方なのですが、普通のスケッチで終わってしまってはいけません。いかにそれらしくシンボルマークとして見せるか、調整が難しいところであります。
コンセプトE 巴 / Trinity, Stability, Harmony
コンセプトCそのものをさらに発展させたもの。そして最後のコンセプトは母と子、そしてLEILANI LOVEの3つの関係を意味する巴(ともえ)。しっかりと支え合うこと、安定感を意図したものです。
最初の打ち合わせから、2週間で5つのコンセプトと10個のデザイン案を考えプレゼンテーションすることにしました。
クライアントはどんな反応をするでしょうか。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
また次回のブログへ続きます。
プロが実践するロゴの作り方と制作プロセス- その4
ブルホラのサービス担当部長です。
手描きのラフスケッチによるアイデア出し
これまで出された手描きレベルでのラフスケッチのアイデアの中から、シンボルマークとしてうまく提案できると判断されたアイデアの整理に入ります。スケッチ一部は手描きのラフをもとに実際にイラストレータでラインを調整していきます。
ロゴ装飾化のためのアイデア出し
最初のクライアントとの打ち合わせで、ベビータオルやバッグ、将来的にはベビーマッサージオイルの販売という話がありましたね。それらの製品の詳細な仕様はわかりませんが、製品に印刷されたりタグに取り付けられたり、パッケージで使用される事を想定したロゴ装飾のアイデアを考えてみました。内側にはシンボルマーク、外側の枠部分には何らかのコピーが入ることを想定しています。
次回は整理してきたアイデアをもとに5つのコンセプトキーワードを整理します。
ロゴの装飾のアイデアも最終的なプレゼンテーションに向けてあたためておくことにします。
また次回へと続きます。
ご覧いただきありがとうございました。